デアゴスティーニ・ジャパン「隔週刊 ジャズ・LPレコード・コレクション」。
マイルス・デイビスの「カインド・オブ・ブルー」から始まるコレクション。
出だしの「SO WHAT」のイントロはまさにジャズを象徴するかのごとく黒光し、
マイルスのトランペットとジョン・コルトレーンとキャノンボール・アダレイからなる管楽器群、
合間をすり抜けるかのごとく弾くビル・エヴァンスも個性際立つ。
モードらしくクール(しかしながら何度説明読んでもモード旋法が理解できない)。
ただ、これをきっかけにビル・エヴァンスが何かを見つけたこと、
それは何となく分かる。
それからのエヴァンスの人気に繋がっていくのも理解できる。
今までのジャズ・ピアノは黒人音楽としてソウルフルな打楽器的なものであり、
エンターテイナー的なR&B色の強いブギウギ的なものからの延長線にあるものだったのが、
このアルバムにおけるエヴァンスは、その手の手法を用いる必要もなく、
自らのスタイルを発見できるきっかけになったのではないか。
このアルバムが発売された1959年、
その後のエヴァンスの一連の1960年代の名盤はプログレッシヴなものだと凄く理解できる。
それは当時のジャズ・メッセンジャーズや一連のBLUE NOTEのファンキー・ジャズ群を聞くと、
より一層理解できる。
入門編とも言うべき、デアゴスティーニの第一弾が、
このようなプログレッシヴなアルバムでいいのだろうか。
クリフォード・ブラウン、ソニー・ロリンズ、ホレス・シルヴァーから始まった方が良いのでは。
あるいはマイルスだったら「ウォーキン」か「バグス・グルーブ」。
ただ、皆が想像するジャズのパブリックイメージは、
ジャケも含め「カインド・オブ・ブルー」には揃っている。
ジャズのレコード、CD、福岡、出張買取、日本全国、宅配買取致します。