北九州市小倉北区でジャズ・レコード700枚の出張買取でした。
全て1950-1960年代のモダン・ジャズで、とても嬉しい買取でした。
さて、ジャズの買取の際、なぜか、
ジャズから離れて違う音楽のジャンルにハマってることが多いです。
今回はジョン・レノンのソロ。
「ジョンの魂」「イマジン」「サムタイム・イン・ニューヨーク・シティ」、
この3枚が大好きです。
これらを共同プロデュースしたのはフィル・スペクターです。
もちろんジョンの「失われた週末」以前のヨーコと共にパワー溢れた時代だけに、
気合いの入った作品ですが、
やはり、スペクターの力も大きいのでは。
彼の特異な音作りにジョンもヨーコも一目置いていたはずです。
ジョン&ヨーコ&フィルの三人だからこそ、生まれた名作群です。
そうなると、フィルが1964年ごろプロデュースした、
白人デュオ、ライチャス・ブラザーズ、
彼らの「ふられた気持ち」は、
「単なる良い曲」だけでなく、
フィルが本格的にプロデュースした男性白人として、
レノンのソロ以前(ビートルズの「レット・イット・ビー」は編集的なものだけに除いて)
に作られた重要作品として注目に値します。
あれだけ、オーケストラを駆使して、壮大なスケールの曲が、
ビートルズ登場間もないころに、ロック/ポップの世界にあったでしょうか?
「ジョンの魂」のシンプルながら大きなスケール感は、
けっして、レノンだけでなく、フィルの電気処理が大きく影響しているかと思います。
ジャズとは全然関係ない話になってしまいましたが、
ライチャス兄弟は後「フィレス」から「ヴァーヴ」に移籍して活躍しましたが、
ここでもフィルの「ウォール・オブ・サウンド」を模倣した作りとなっており、
オーケストラをバックに朗々とポップ・ソウルを歌っています。
ジャズの世界で同時期に「ヴァーヴ」にいたのが、
プロデューサー、クリード・テイラー。
後の「CTI」設立のため、モダンなポップ・ジャズを作り始めています。
CTIはA&M傘下ですが、
A&Mにはフィル・スペクター門下生たちがいっぱいいます。
そして、そのA&Mは、かのカーペンターズを大ヒットさせています。
黒人文化と白人文化を融合させ、
エルヴィス・プレスリーの時代とは違った大人向けのクロスオーバーを狙い始めた、
1964年ごろの「ヴァーヴ」の動きに注目してみたいです。
クリード・テイラーは早くからビートルズの革新性に注目し、
CTI(A&M)でウェス・モンゴメリーに「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」、
ジョージ・ベンソンに「アビイ・ロード」を作らせています。
クリード・テイラーと言えばボサノヴァですが、
「ゲッツ/ジルベルト」もヴァーヴから1964年発売されています。
ブラジル〜フィル・スペクター〜ジャズ〜ビートルズ、
クリード・テイラーの中で1964年に頭の中で一直線に結びついてたのでしょうか。
モダン志向とビジネス・センスに長けたテイラーですが、
一方で1967年ごろのフラワー・ムーヴメントやフリー・ジャズなど、
前衛には、あえて、背を向けた感が強く、
彼が紹介したボサノヴァも、ジャズやポップスと融合し、
大人のための音楽のアイテムとして取り込まれていきました。
一方で1960年代中頃、ブラジルでも前衛ロックに触発された
「トロピカリア」運動の旗手、
カエターノ・ヴェローゾやガル・コスタがデビューします。
こちらの遅れてきたボサノヴァ・アルバム「ドミンゴ」に、
個人的には強く惹かれます。
クリード・テイラーのコンテンポラリー路線は同じくジャズのアレンジャー、
クインシー・ジョーンズに受け継がれて行き、
ジョージ・ベンソンからマイケル・ジャクソンを生み出し、
コンテンポラリー・ポップスがここに極まります。
これへの反発がパンク、ニューウェーヴ、ヒップホップ、レゲエなどの
カウンター・ミュージックを生み出していきます。
色々大きな視野で考えていくと、音楽がジャンルが繋がっていくものですね。
自分勝手な妄想も含まれてますが。
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