年末の大量ジャズCD買取と、
正月1月3日に福岡市南区でのジャズ・レコード100枚ほどの出張買取で、
気に入ったジャズ・アルバムを紹介します。
クリフォード・ジョーダンのレッドベリーのカバー集
「ジーズ・アー・マイ・ルーツ」。
ジョーダンは「ストラタ・イースト」からのスピリチュアル・ジャズで、
今は人気が高いですが、そのブラック・ルーツが遺憾無く発揮されたアルバムです。
レッドベリーは弾き語りのカントリー・ブルースを代表するシンガーです。
このカントリー・ブルースをジャズに置き換えるという難技を成功させています。
アトランティック・レーベルならではの黒いジャズ・アルバムです。
続いてはアブドゥーラ・イブラヒムの「Mukashi昔」。
以前はダラー・ブランドと名乗ってました。
静寂な感じのピアノ・ジャズですが、
出身であるアフリカの黒さが詰まっていて、
一音一音、楽器ひとつひとつに「息吹」が感じとれます。
日本のジャズ・ピアニスト、渋谷毅と似たようなものを感じさせてくれます。
共に60年ほどのキャリアを持っています。
ジャズ・ピアノにしても、
最近、お気に入りのエリック・クラプトンにしても、
才能ある人が50年、60年も同じ楽器をやり続けると、
達人の領域に入っていきます。
「音楽の求道者」ですね。
「初期衝動の音楽」の素晴らしさも捨てがたいですが、
「わび・さびの世界」は奥が深く、長く聴けます。
ちなみに「昔」と日本語タイトルが付けられたこのアルバムは、
タイトル通り「和」の香りがします。
まるで管楽器が尺八のように聞こえます。
イブラヒムは日本の文化を愛し、
武道の心得もあるとか。
ピアノ、フルート、チェロのドラムレスな室内楽的な編成で、
ジャズと日本を感じさせる稀有なアルバムです。
今年もよろしくお願い致します。
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