昨日「レコード・コレクターズ」の「ベンチャーズ特集」を読んでいたところ、
1962年ごろは、
レオン・ラッセル、デヴィッド・ゲイツ、ハル・ブレインなんかの
西海岸セッション・ミュージシャンを起用していたらしい。
「ザ・ベンチャーズ結成から現在まで」でのメンバー座談会でも、
「レオン・ラッセル、デヴィッド・ゲイツ、J.J.ケイル3人がバンド組んで来たよ」。
凄いメンバーです。
さて、その中で出てくるビリー・ストレンジ。
この人はベンチャーズでかなりギター弾いてたらしく、
正直、名前ぐらいしか知らず、そう言えばうちの店にあったのを思い出して、
聞いたら、素晴らしい。
ベンチャーズをワイルドにした感じ。
さらにサーフィン・インストよりエグい。
そして音が太い。
「レッキング・クルー」の一員だと。
それで、調べたら出てくる出てくる。
フィル・スペクターのセッションでは「ジッパ・ディー・ドゥー・ダー」で、
強烈なギター・ソロが出てくるが(ヘヴィメタル・ギターの始祖!)、
そのギターがビリー・ストレンジであり、
ストレンジはスペクター・セッションではかなり仕切っていたらしい。
さらにビーチ・ボーイズでは「ペット・サウンズ」の
「スループ・ジョン・B」での12弦ギターであり、
ブライアンがこのセッションのためだけに、ギターを買って与えたと。
ビーチ・ボーイズのセッションにはかなり参加してるらしい。
さらにエルヴィス・プレスリーのリメイク大ヒット曲
「おしゃべりはやめて」。
この曲もビリー・ストレンジによるもの。
そして、フィル・スペクターのパートナーであったレスター・シルが、
スペクターとやる前に組んでいたのがリー・ヘイゼルウッド。
デュアン・エディ、そしてナンシー・シナトラですね。
あのナンシーの「にくい貴方」のエグいアレンジ、
あれがヘイゼルウッドとビリー・ストレンジの仕事だったんですね。
「007は二度死ぬ」。
アレンジがビリー・ストレンジとプロデュースがリー・ヘイゼルウッド。
これ完璧に「ウォール・オブ・サウンド」。
そして基本「レッキング・クルー」の演奏だろうから、
正統なる「ウォール・オブ・サウンド」の模倣
(模倣なのに正統というのはおかしいが)。
ここで聞かれるビリー・ストレンジのギターは、
「ジッパ・ディー・ドゥー・ダー」でのギターであり、
そして本人なのである。
そして、スペクターの師匠格にあたるヘイゼルウッドによるものなのだ。
この名前の通りソロ・アルバムは「ストレンジ」。
フォークやカントリー、ブルースをカバーした「Railroad Man」。
1968年の作品で「レッキング・クルー」勢ぞろい。
ハル・ブレイン、キャロル・ケイ、ラリー・ネクテル、
素晴らしいテクニック。
素朴なスタンダード・カバーなのに、
「アメリカン・ロードムービー」のようにカルトな雰囲気を醸し出す。
フィル・スペクター、リー・ヘイゼルウッド、ベンチャーズ、
ビーチ・ボーイズ、エルヴィス・プレスリーでの
セッションマン、アレンジャーとしての活躍。
1960年代西海岸では「ミュージシャンズ・ミュージシャン」の代表だったのだろう。
本当はこの流れで書籍「レッキング・クルーのいい仕事」を
読みたかったのだが、絶版状態。
だから郵送レンタルで映画「レッキング・クルー~伝説のミュージシャンたち~」を借りた。
これDVDは総再生時間なんと8時間超え!
レンタル専用でもボーナス・ディスク付いてくれてることを願う。
CDはヘイゼルウッドとストレンジの仕事によるナンシー・シナトラの「Boots」と
ビリー・ストレンジのソロ「Railroad Man」を注文。
それと店にあったビリー・ストレンジの1964年のソロ
「James Bond Theme/Walk Don’t Run」の3作品を楽しむ予定。
1960年代西海岸音楽シーンの研究は続く。
ジャズ、ロック、ソウル、ブルースのレコード、CD、
出張買取、店頭(持ち込み)、宅配買取致します。
福岡市の中古レコード屋・中古CD屋アッサンブラージュ。