自身のデビュー作でもあるテディ・ベアーズの「逢った途端にひとめぼれ」は
サビの部分に入ると、よりバックのコーラスとリードのアネットは一段とギアチェンジして
熱を帯び、ストリングスが入ってきたのごとく厚みを増すように聞こえます。
既にゴールド・スター・スタジオのエコーによる残響音も計算に入れていたので、
二倍増し程このサビの部分は盛り上がります。
「三拍子が繰り替えされるところに、
突然マイナー・コードーナインスのコードが登場する(「フィル・スペクター蘇る伝説」より)」
このようなマジックを作り出すことに関して天才です。
このマジックをより強固にする武器として、
ストリングスや多様な楽器群とスタジオのエコー効果を見つけました。
フィル・スペクターはその後、アトランティック・レコードで、
リーバー=ストラーの元で働いてました。
ストリングスと多様な楽器群を入れるのはここで学んだものです。
スペクターが作曲したものもあります。
ベン・E・キングの「スパニッシュ・ハーレム」です。
これが完成したのはジーン・ピットニーの「エヴリー・ブレス・アイ・テイク」です。
ニューヨークでエコーが抜群にかかる「ミラ・サウンド」を見つけたスペクターは、
ここでニューヨーク修行成果のストリングスと多種多様な楽器群とエコーという3大要素が合わさって、
後の「ウォール・オブ・サウンド」の原点となる音に仕上げます。
「フィル・スペクター蘇る伝説」ではこの曲はベル・サウンドで録音されたとなってますが、
そこにはリーバー=ストラー、曲を作ったゴフィン=キング、バカラック、マン=ウェイル
ドン・カーシュナー、アーロン・シュローダーと錚々たる面子が揃う中で長時間かけて作られたと。
まさに「フィレス・レコード」誕生する直前の歴史に残る1961年の録音です。
このニューヨークの「ミラ・サウンド」で「フィレス」第一号の
クリスタルズによる「ゼアズ・ノー・アザー・ライク・マイ・ベイビー」が録音されます。
「逢った途端にひとめぼれ」「エヴリー・ブレス・アイ・テイク」、
スペクター・マジック、ウォール・オブ・サウンドの原点がこの2曲にあります。
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