佐賀県からブルース・レコードの持ち込み買取。

昨日はPヴァインやチェスを中心にした
ブルースのレコードが佐賀県から持ち込み買取でありました。

「ブルース」を日本に紹介し、
「ブルース・フェスティバル」を主催したのが中村とうよう。

その、とうよう氏が手がけたCDブック「アメリカン・ミュージックの原点」が素晴らしい。
特にダンス音楽をメインにしたディスク2。
アメリカン・ミュージックの源流をブルースやカントリーだけに置かず、
アイリッシュ音楽に焦点をあてるだけで、
随分アメリカ音楽の聴き方が変わる。

昨日聞いたピアノロールによるスコット・ジョップリン「ラグタイム」集のCD。
これがあまりにも素晴らしく、
シンコペーションするリズムで楽器を弾く。
最近アメリカのインスト音楽にハマっていた私は「ラグタイム」に興奮した。
その理由はウィキペディアの説明がしっくりくる。
「シンコペーション」は「中間音の省略」をすることで、よりスピード感が湧く。
音楽プロデューサーの亀田誠治は自身がホストを務めた亀田音楽専門学校(NHK Eテレ)にて
「メロディーが前の小節に『食い』込むことで躍動感が生まれ、
ウキウキとかワクワクといった気持ちにさせる効果がある」と説明している。

「アメリカン・ミュージックの原点」では、
遡ること100年、20世紀初頭、古いアメリカの「ミンスレル・ショウ」での、
バンジョー奏者ヴェス・L・オスマンや、ブラックフェイス・エディ・ロスから、
アイルランドを代表するフィドル奏者マイク・コールマンにより「リール」。
さらに、様々なタイプの黒人、白人の「ラグタイム」が紹介される。

ここで鳴らされる演奏は、リズムに乗って、躍るためのダンス音楽であり、
その延長線上で、芸達者な演奏家たちがバンジョーやフィドルを聞かせる。
まさに民族のミクスチャーからなるアメリカらしいダンス・バンドによる
「アメリカン・ミュージックの原点」が25曲、ディスク2には収録されている。

ディスク1では20世紀初頭の様々なボーカル音楽を中心に、
ディスク2で「20世紀初頭のアメリカ・ダンス音楽史」が聞けるCDブック。
これがお勉強的でなく、ひたすら楽しい。
個人的に中村とうよう氏の仕事での最高傑作だと思う。

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