引き続き、マイルス・デイビス「ウォーキン」の感想です。
「ウォーキン」はルディ・ヴァン・ゲルダーによる録音だが、
マイルスのトランペットがモヤ(ミュート?)のかかったエコーのように聞こえる。
それぞれのソロを全面に出して聴かせるというより、
グループ全体の音を録音してるよう。
マイルスのモヤのような音が全体を覆い、
ケニー・クラークとパーシー・ヒースの最低限クールに刻むリズム隊が、
グループの一体感を生み出しており、
以前の九重奏と(「クールの誕生」)バップの経験を融合させた
マイルスの完成品がこの作品である。
低音の二管を配置することは九重奏での演奏があったからだろう。
このバランスの良い演奏を配置そのままに、
特別ソロを強調されるようでなく、
全体像を録音したかのような音も計算されたものではないか。
この後、1956年のマラソン・セッションでは音の輪郭がはっきりし、洗練はされたが、
アタック感があるのは1954年録音の「ウォーキン」の方で、
グループ全体での一体感に圧倒される。
福岡県内、福岡市、北九州市、ジャズのレコード、CD買取致します。