福岡市西区の当店へ渋いロックやソウルのCDの持ち込み買取がありました。
ファッツ・ドミノやニューオリンズ・サウンンドのCDがありました。
ファッツ・ドミノとデイヴ・バーソロミューのコンビを聞いていると、
フィル・スペクターを思い出す。
ニューオリンズのドタドタした音のリズムの洪水と、
ホーン・セクションの渦の中、
ドラムはフィレス・セッションでも活躍したアール・パーマー。
ドミノのボーカルとピアノをこれらの演奏陣がバックアップしながら、
共に重戦車のように突き進む姿は「壁」が迫ってくるようである。
特にスペクターのようにエコーやダビング、多重録音を駆使してるわけでもないが、
ドラムをメインとした分厚い音の「壁」の中から、
トランペットやサックスのソロが飛びててくる様は、
フィルの手法に近い。
バーソロミューはこの音の壁をどのように作ったのか。
管楽器2本、ドラム、ピアノ、とにかくこれを低音で響かせることに、
全てをかけていたのではないでしょうか。
これらが凝縮したサウンドをモノラル録音に詰め込んで、
ドミノによって爆発させた。
「フィレス」の共同経営者であるレスター・シルが、
フィルと出会う前に、リー・ヘイゼルウッドと共にデュアン・エディで、
ダークな低音を効かせるギター・サウンドを作りあげました、
この不気味な低音=ダーティーなロックのイメージを、
バーソロミューは黒人音楽で、この低音を強調させて、
ロックンロールの黒人版として、
ファッツをヒップなスターと仕立てあげたのです。
本来ならヒップな存在であるファッツですが、
その体型と牧歌的なカントリー風味が、
ヒップなロックのサウンドのイメージとは逆であり、
これが非常にバランスがよく、商売となり、
ファッツは国民的歌手としてブレイクしたのでありました。
日本では大滝詠一さんが「ナイアガラ・ムーン」でニューオリンズ・サウンドを手がけた後、
「ア・ロング・ヴァケイション」でフィル・スペクターを試みたのは、
このファッツ・ドミノ(バーソロミュー)とスペクターに
同じ匂いを感じ取ったからではないでしょうか。
あと、フィル・スペクターが活躍した時代、1964年の
ニューオリンズの歌姫アーマ・トーマスなんか聞くと、
「ウオール・オブ・サウンド」を意識してんじゃないかと思うほど、
音が似通ってますし、彼女の声がロネッツやクリスタルズのように聞こえます。
そう思って調べてたら、エンジニアがエディ・ブラッケットという人で、
この人はリー・ヘイゼルウッドと共にデュアン・エディの下でエンジニアやってた人でした。
フィレスでもクリスタルズのファースト・アルバム「ツイスト・アップタウン」で、
僅かながらスペクターとも関わっているようです。
アメリカも広いですが、やっぱり一流のプロは一流のおめがねにかなうようで、
一流同士は繋がっていきます。
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