1960年代の女性アイドルのアネット・ファニセロなんか聞いてると、
こういう音が大好きなのに気づく。
ロックンロールを基本として、
パンチのあるボーカルで歌うポップス。
これに色々と装飾を付けたのが、
フィル・スペクターであり、ブライアン・ウィルソンであり、
ビートルズである。
アネットはディズニーが生んだアイドルです。
デイズニーの音楽担当であるシャーマン兄弟による
大ヒット曲である「パイナップル・プリンセス」は1960年作品です。
南国風のアレンジで、
二重唱など1950年代初頭のパティ・ペイジなどをモチーフにした、
現代風(1960年代だけど)ティーン・ポップスに仕上げており、
特にアレンジに凝ったことはしていません。
1950年代から1960年代初頭までロックンロールやポップスは、
特にエルヴィス・プレスリーやパティ・ペイジ、
その後のロカビリー、ナッシュビル・サウンドなど、
カントリーやR&B、ジャズの域を出ていません。
ここに最初に現れたのが「フィル・スペクター」ではなく、
西海岸のリー・ヘイゼルウッドであります。
ヘイゼルウッドはデュアン・エディに低音でギターを弾かせ、
艶かしいサックスと絡め、
ロックにハードでヘヴィなイメージを植え付けた第一号だと思います。
東海岸では黒人音楽ながら、ドリフターズでストリングスを取り入れたのが、
ジェリー・リーバーとマイク・ストーラーであります。
そして、そのヘイゼルウッドのパートナーであるレスター・シルは、
その後フィル・スペクターと手を組み「フィレス」を設立。
リーバーとストーラーに弟子入りしたのもフィル・スペクターであります。
1960年代前後、東西をかけ巡ったフィルは、
ドリフターズやヘイゼルウッドからストリングス・アレンジや録音技術などを学び、
かの「ウォール・オブ・サウンド」を作り上げ、
アネット・ファニセロなどのアイドルが歌っていた音楽を、
後のビートルズやサイケデリック音楽に繋がる音に仕立てあげたのです。
これを見ていたのがビーチ・ボーイズのブライアン・ウィルソンです。
彼はアネットにも曲を提供しましたが、
単なるティーン・ポップスには飽き足りず、
フィルの影響が大きい音楽を
アイドル・グループである自らのビーチ・ボーイズでチャレンジした結果、
名盤「ペット・サウンズ」が生まれました。
1964年イギリスからアメリカに降り立った飛行機には、
全米及び世界を席巻するビートルズが搭乗しており、
なんと同じ飛行機にはフィル・スペクターも同乗していたという奇遇。
その後、ビートルズ、ジョン、ジョージを次々にプロデュースするフィルですが、
それ以前の「リボルバー」や「サージェント」にはフィルの試行錯誤のアイデアが、
ビートルズにもそれなりに影響を与えていたと思います。
だからこそのジョンやジョージのフィル起用ではないでしょうか。
エルヴィス・プレスリー、ブルース、R&B、アイドル・ポップスの
シンプルな音も心に響きますが、
それらに装飾を付けたフィル、ブライアン、ビートルズ、
ヘイゼルウッド、リーバーとストーラーのアイデアは、
とても面白いものがあります。
だからずっと聞いてると、色々と発見することが多く、
何度も何度も聞いてしまいます。
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