今日はクリスマスです。
そこでオススメのロック・クリスマス・アルバムを紹介したいと思います。
「クリスマス・ギフト・フォー・ユー・フロム・フィル・スペクター」
1963年に発売されて、まだロックの成熟していない頃に作られたアルバムながら、
最後にプロデューサーであるフィルのスピーチが入り、
全編が彼特有の「ウォール・オブ・サウンド」に仕上げられています。
思うにスペクターは「ロックとは若者のための承認欲求の塊」だと察知して、
我が思う所の独自のサウンドを「クリスマス」を題材にして、
これみよがしに見せつけた最初のロック・アルバムであり、
所謂、後に「コンセプト・アルバム」と称されるロック名盤アルバムの第一号だと思います。
このスペクターに多大な影響を受けた方法論を駆使して、
自我を包み隠さず述べたミュージシャンがビーチ・ボーイズのブライアン・ウィルソンであります。
(シンガー・ソングライターのはしりですね)
1964年のビーチ・ボーイズ「クリスマス・アルバム」は、
そんなロックの「承認欲求のためのオリジナルなサウンド」を追求していた過渡期に作られた傑作です。
同じ頃、凶暴なギター・サウンドがロックの一つのアイデンテティになり得ると、
デュアン・エディやディック・デイルによるギター・インストがブームとなり、
その波にのったワシントン州出身のベンチャーズがブレイクします。
彼らもエレキ・ギターを中心に割れんばかりの音のグルーヴを武器に、
オリジナリティを発揮します。
そのブームの最中に作られたのが1965年のベンチャーズ「クリスマス・アルバム」です。
自らのヒット曲のアレンジのままクリスマス・ソングを演奏する手法は、
思いつきそうで思い浮かばない斬新なアイデアで、
これもまたオリジナル感溢れるクリスマス・アルバムとして歴史に残っています。
その後に思いつくロックのクリスマス・アルバムとしては、
ベテランたちが熟したロックのエッセンスを醸し出し作った3作品をあげたいと思います。
山下達郎1993年「シーズンズ・グリーティングス」
ロッド・スチュワート2012年「メリー・クリスマス、ベイビー」
エリック・クラプトン2018年「ハッピー・クリスマス」
達郎は独自の一人アカペラと服部克久のストリングスをバックに自慢の喉を、
ロッドはジャズ・スタンダードを近年歌い続けており、そのハスキーなボーカルを、
デヴィッド・フォスターをプロデュースに歌いあげ、
クラプトンは完成され芸術となったダンディズム溢れるギター&ボーカルを駆使し、
クリスマス・ソングをカバーしています。
それぞれが「黒人音楽の影響下にあるルーツ・ロック」を基盤にしているため、
いつまでも末長く聞けます。
さて「黒人音楽の影響下にあるルーツ・ロック」を基盤にした
ロック第一号のクリスマス・アルバムと言えば、
1957年のエルヴィス・プレスリー「エルヴィス・クリスマス・アルバム」です。
「クリスマス・アルバム」は「スタンダード」を演奏することで、
ミュージシャンの個性と実力が問われる良い題材だと思います。
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