福岡市西区の当店へ、
ビートルズや山下達郎のレコードの店頭買取がありました。
もはやビートルズと並び、
山下達郎のレコードはジャンルと化しております(笑)。
梅雨前の、初夏の日差しが眩しい福岡市ですが、
こんな時はギター・インストに限る。
しかしながら、サーフィン/ホッドロッドではなく、
相変わらずフィル・スペクターを聞いているので、
そのスペクターと「フィレス」を設立したレスター・シルの初期の仕事、
リー・ヘイゼルウッドによるプロデュースである、
デュアン・エディのベア・ファミリーから出たベストCDを聞くことに。
1958年にデビューしたデュアン・エディ。
低音を響かせるエレキ・ギターと咽び泣くサックス。
共に重心が低く、まるで当時のR&Bのような黒いサウンド。
レスター・シルはこの当時リーバー=ストーラー共に
エルヴィス・プレスリーの黒いロックンロールを開発し、
その後アトランティックではコースターズを手がけます。
何と言ってもシルは初期の西海岸で黒くて艶のあるブルース・マン、
チャールズ・ブラウンを手がけてるだけあり、
ロックの礎をほぼ手がけたことになります。
エルヴィス、コースターズ、フィル・スペクター、
彼らはビートルズ以降のロックの源流と称されますが、
このデュアン・エディは過小評価されています。
当店に来られる常連のギターの先生によると、
デュアン・エディのギターの弦は凄く重いのではないかと。
あの低音を出すための特注のギターだったのでしょうか。
その重いギターをグイグイと鳴らして突っ走る姿は、
ハード・ロックの元祖、最初のギター・ヒーローにふさわしい。
ギターでリヴァーブを効かせながら一丸となって襲いかかる音の圧力、
このヘイゼルウッド、リーバー=ストーラーの良いどころ取りをしたのが、
レスター・シルでありフィル・スペクターなのであります。
ネットで調べてみると大瀧詠一の
「アメリカン・ポップス伝」にたとりつきました。
これ、文字起こしあったんですね。
YouTubeあがってないので、楽しみが増えました。
ポップス伝によるとコースターズも西海岸で録音されていたり、
ヘイゼルウッドとデュアンのサウンドはゴールドスターのエコーであるとか。
さすがは大瀧師匠ですね。
ちなみに1960年発売のデュアンの「SHAZAM」のギターのリフとブレイクは、
「レッツ・オンド・アゲン」の
「337秒間世界一周/多羅尾伴内楽團」で引用されています。
途中聞かれるサックスはコースターズおけるキング・カーティスのようで、
この辺はレスター・シルとリーバー=ストーラーの交流を感じさせます。
多分、大滝さんはこの曲で聞かれる、次から次へと飛び出すサウンド、
「コースターズふうホンカー入りのR&B」
「コースターズふうトロピカルな木琴」
「デュアン得意のギター・インスト」
これを聞いて「337秒間世界一周」のアイディアを
思い浮かべたのではないでしょうか。
このベストCDの「SHAZAM」と、
前の前に収録されてる
「BONNIE CAME BACK」のドラムは凄まじく、
マーチング・バンドのごとく暴れまくるのは、
レベルズ(デュアンのバンド)表記なので、
ボブ・テイラーだということになる。
でも分かりませんよ。
後にニューオリンズ出身のアール・パーマーも参加していることだし、
こんだけ叩けるのはパーマーの可能性も。
ちなみにヘイゼルウッド=シルにはもう一人重要なギタリストがいます。
ビリー・ストレンジです。彼はアレンジヤーでありセッション・ギタリストで、
ソロ・アルバムも多く出しています。
彼はフィル・スペクター・プロデュースによる
ボブB.ソックスとブルージーンズの「ジッパディードゥーダー」で、
最初のヘヴィ・メタル・ギターを弾いたと言っても過言ではないです。
その後、ヘイゼルウッド=ストレンジはシルが去った後、
ナンシー・シナトラをエグいサウンド作りでバックアップし、
ヒップな不良娘として売り出しました。
有名な曲は「にくい貴方」です。
石橋&中居の司会の「うたばん」のエンディングでかかっていたので、
ご存知の方も多いかと思います。
この辺で疲れたからやめます。
今宵は「フィル・スペクター 甦る伝説 増補改訂版」における
大瀧さんと朝妻一郎氏との
フィル・スペクターとレスター・シルに関する対談と、
「大瀧詠一のアメリカン・ポップス伝」をネットで読みながら、
また新しい発見があったらこのブログに書くかYouTubeで話します。
それではベア・ファミリーとライノのデュアン・エディのベストを
引き続き聞きます。
音も選曲もベア・ファミリーが好みですが、
ライノは曲が多いから持っておきたい。
追伸 「レッツ・オンド・アゲン」ですが、
全体的に低音が効いているリズムものである。
これはシル=ヘイゼルウッド=リーバー=ストーラーに
捧げているのでは?と深読み。
次のアルバムは、かの「ア・ロング・ヴァケイション」であること。
シルの次の仕事はフィル・スペクター。
共に「ウォール・オブ・サウンド」である。
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