昨日、店のCDの在庫を見ていたらクロディーヌ・ロンジェのA&Mのアルバムを見つけた。
1990年代前半に起きた渋谷系を中心にしたレコード・ブームの頃、
人気があったアルバムで、これがずっと売れ残っている。
このアルバムやらロジャー・ニコルズのレコードを小脇に抱え歩くオリーブ少女を、
ここ福岡でも見たことある。
この手のソフト・ロックやら、
カーティス・メイフィールドなどのフリー・ソウル、
ここから奥深い洋楽の世界に入って行き、
現在もレコードやCDを集め、
より音楽を掘り下げて行く40代から50代のコレクターさんやDJが沢山いる。
先日の福岡県小郡市からの買取もそうだった。
そんな感じで90年代は知らない音楽を買うしかなく、
ジャーマン・プログレ、フリー・ジャズ、ダブ、ブラジルなど、
音楽好きは未知のレコードを血眼になって探し学んでいったと思う。
レコードに懐かしさを求めるのではなく、
古くて新しい音楽との出会いを求めてレコード・コレクターが育ったブームであった。
「次は何が来る?」そんな話題がよく上がっていたし、
それがスピリチュアル・ジャズであったり、和モノであったりしたのだが、
今回の2022年のブームは「懐かしさを求めてる感」が強く、
「80年代の山下達郎良いね。プレイヤー買ってみるか。
レコードでビートルズやジャズを聞いたらオツだね」
「日本語の帯のアート感がたまんない」。
こんな感じで一部のメジャーなレコードだけが高価になっていき、
山下達郎やビートルズの初版帯付きの買取額などとんでもないことになっている一方、
アントニオ・カルロス・ジョビンやらジミー・スミスなどですら
「なんじゃそら?」となってしまう。
今回のブームはインターネットが普及して探求心が失われ、
クラブやヒップホップなどの先端と密接に関わっていた90年代とは大きく違うと、
店舗の棚に残るかつて高額だったサン・ラやフェラ・クティのCDが売れ残ってるのを見て、
思わず書かずにはいられなかった。
ロック全般、ジャズ、ブルース、ソウル、ワールド・ミュージックなど
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福岡の中古レコード屋「アッサンブラージュ」。