福岡の当店には音楽やアートに関わる色々な方が来られます。
その方たちとレコードやCDを販売したり買取、それからお話したりしております。
ブルースマン、ブラバン演奏者、クラブDJ、ラッパー、トラック・メイカー、ロック・ミュージシャン、ジャズのオーディオ・マニア、元中古レコード屋店員、元外資系CDショップ店員、イラストレーター、造形作家、植木屋…そのような方々と話すと凄く刺激を受けますが、現在、最も話が面白いのは1970年代からディスコで「ハコバン」やられていたギター講師の方です。
黒人と日本人のリズム
昨日も話が盛り上がったのですが、黒人と日本人のリズムの取り方です。
これはできる方とできない方がいると思いますが、ジャズやブルースやロック好きの方がこの黒人のリズムの取り方をできずにレコードを聞いている人が多いということを改めて知りました。
「ブルースは渋い」「ジャズはお洒落」「楽器のソロがかっこいい」「音が良い」こんな聞き方をされてる方が大半だということです。
ジャズ、ブルース、ロックを横一線に並べて、ブラック・ミュージックの醍醐味であるリズムを楽しんで聞いてる方がが極めて稀で、ここではそのリズムの取り方の説明は言葉ではなかなか説明が難しいので割愛しますが、これを楽しまずして音楽を聴くのは非常にもったいない。
「ブラック・ミュージック」なる呼称
僕は先月ルイ・アームストロングの1928年録音である「ウエスト・エンド・ブルース」と「タイト・ライク・ディス」を聞いて、「原点にして頂点」を味わったと感じてしまい、それ以降、何を聞いても、この演奏に勝るものがあるのかと思うほど、約100年前のトランペットの音色に魅せられてしまってる状態に陥っている。
このニューオリンズ出身のシカゴで吹き込んだ稀にみる天才黒人トランペッターの音楽にはブラック・ミュージックが凝縮されていると言っても過言ではない。
この「ブラック・ミュージック」なる呼称は、一般的に70年代のソウルから現代R&Bやヒップホップを称して呼ばれることが多いが、戦前ブルースもジャズも、ひいては、僕なんか黒人音楽に影響受けてる全ての音楽を「ブラック・ミュージック」と言い表しても良いぐらいだと思っている。
先日、年配のお客さんからのレコードの買取の問い合わせに「どんな音楽が得意なのか?」と問われましたが、思わず「ブラック・ミュージック」と言ってしまい「ジャズや古いロックなどは買取していないのですね」と言われて、改めて訂正しましたが、僕の中ではジャズやブルースやロック、さらにレゲエもアフリカ音楽もラテンも混血音楽として黒人のルーツが入っていると思っていたので、思わず「ブラック・ミュージック」と言ってしまった。
映画「ゴースト」の主題歌で有名なライチャス・ブラザーズは「青い目のソウル(ブルー・アイド・ソウル)」と呼ばれており、しかしながら、彼らの風貌から、今現在、彼らを「ブラック・ミュージック」と呼ぶものは殆どいない。
また、かのエルヴィス・プレスリーもR&Bチャートを制覇している。
今ではラッパーのエミネムなんか代表的だ。
先日、京都大学の前総長でゴリラ研究で有名な山極壽一さんのお話が非常に面白く、やはりアフリカ起源として人類が生まれたことを話されてましたが、そう考えると、全ての音楽がアフリカ・ルーツを持つと考えても良いが、それから途方もない年月が経っているので、クラシックのように黒人音楽の影響が殆ど感じられないものも当然生まれる。
ただ、ポピュラー音楽、大衆音楽は、人間のルーツにあるアフリカ系黒人音楽を礎としており、この醍醐味であるリズムを楽しんでない日本人が多いのはもったいない気がする。
このような話を延々と1時間、話し込みました。
とても有意義な一時間でした。
ジャズ、ロック、ソウル、ブルース、R&B、日本の音楽などのレコード、CD、買取、出張買取、店頭(持ち込み買取)、宅配買取致します。
福岡市の中古レコード屋・中古CD屋アッサンブラージュ。