福岡の中古レコード店「アッサンブラージュ」店長の参考書。レコード、CD、音楽書も買取ます。

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福岡の中古レコード屋・店長の参考書

私は昔から、有線放送、MTV、YouTube、サブスク、オムニバスのCDと、音楽を垂れ流し、誰が歌ってるか、演奏してるか分からない状況で、その音楽に感動したら、演者をチェックして、そこから感動した理由、背景を書籍で調べることにしています(もちろんネットも参考にしますが)。
だから、名盤ガイドの類はあまり好きではありません。
ただ、そのミュージシャンにハマったら、影響を受けたルーツ音楽や、ミュージシャン周辺の同じレーベルの歌手などは聞きます。

このような状況で、音楽書籍は私にとって、とても大切です。
ただ、その作者と感性が合い、文章がうまくて、面白くないと駄目です。
あと、索引があると便利ですね。
ルイ・ジョーダンを聞いて気に入ったら、ジョーダンを調べるために、色んな書籍で索引します。

この本選び、昔は福岡でも大きなジュンク堂書店があって、今出てる音楽本が殆ど揃えてあって、便利だったのですが…。
最近は車で20分、福岡ドームの近くにある福岡市総合図書館を頻繁に利用してます。

私の好きな音楽書籍を紹介

「エルヴィス」デイヴ・マーシュ

最近ハマって、途中ですが、エルヴィスの音楽のみに焦点が当てられ、丁寧に書かれています。
ただ、翻訳が難なのか、作者のマーシュの表現が格好つけすぎなのか、私が理解できないのか、分かりにくい表現が多いです。

「初期のジャズ」ガンサー・シューラー

1920年代のルイ・アームストロングにハマった時、大変参考になった本。
これからデューク・エリントンやカウント・ベイシーにハマったら凄く世話になると思います。

「リズム&ブルースの死」ネルソン・ジョージ

ソウル以前のR&Bについて知ることができる名著。もう20年前に読んで大まかな内容は忘れましたが、アトランティックのR&Bなどの背景を調べるには重宝してます。

「ブルース・ピープル」リロイ・ジョーンズ

ジャズ、ブルース、ゴスペルのルーツを中心に書かれた名著。
アフリカ起源のこれらの音楽を知りたい今、読みたい本です。

「私はリズム&ブルースを創った〈ソウルのゴッドファーザー〉自伝」ジェリー・ウェクスラー

アトランティック・レコードの中心人物である彼の自伝だが、ソウルを手がける前に、彼が影響を受けたジャズやR&Bのミュージシャン評が面白い。

「非西欧世界のポピュラー音楽」ピーター・マニュエル

アフリカ、アジア、東南アジア、中近東など所謂ワールド・ミュージックと呼ばれるポピュラー音楽を分かりやすく説明した本。
随分、勉強になったが、注釈での翻訳の中村とうようのツッコミが面白い。
注釈だけで、一冊の本になる(笑)

「大衆音楽の真実」中村とうよう

そのワールド・ミュージックやルーツ音楽で随分影響を受けた中村とうようの集大成的な分厚い本。
色々な箇所で納得できるし、文章が分かりやすい。

「黒人ブルースの現代」三井徹

アフリカとヨーロッパがアメリカで融合し、生まれた、ブルースの成り立ちと歴史を書いた本。
一度読んで、分かりにくいが面白く、二度目はよく理解しながら読んでいます。

「東京大学のアルバート・アイラー東大ジャズ講義録・歴史編」菊地成孔、大谷能生

現代のジャズ評論で最も面白く、色々と鋭いのが菊地成孔。

「瀬川昌久自選著作集1954〜2014:チャーリー・パーカーとビッグ・バンドと私」瀬川昌久

モダン・ジャズとは違う西海岸ジャズ、ビッグ・バンド、戦前ジャズを、当時レコードや生で聞いた瀬川氏の貴重な自選集。

「ワークス・オブ・エルヴィス」越谷政義

エルヴィスの最も詳しいディスコグラフィ。
彼のサウンドを作った人たち、演奏した人たち、カバーした人たちは、R&B、ソウル、ブルース、カントリー、ゴスペル、ボサノヴァまで網羅されており、エルヴィスからルーツ音楽が見える本。

「ライフ」キース・リチャーズ

色々なルーツ・ミュージックを実際に演奏して、スタジオに行って現地のミュージシャンと交流したりして、それでいて、最強のバンドであるローリング・ストーンズ。
その音楽的中心人物であるキースの言葉は重い。

「フィル・スペクター:甦る伝説」マーク・リボウスキー

ウォール・オブ・サウンドができる過程と、作成には様々なアメリカ・ポップス界の大物たちとの出会いがあり、音楽的にも詳しくも、奇人変人伝としても面白い。

「ザ・ビートルズ・サウンド 最後の真実」ジェフ・エメリック

ビートルズのエンジニアである当人が語るビートルズ・サウンドの秘密。
色々な音作りのアイディアが生々しい。
ビートルズ本では一番面白かった。

「ブライアン・ウイルソン自叙伝―ビーチボーイズ光と影」ブライアン・ウィルソン

これはどこまでが真実かどうか分からない、今では悪名高いユージン・ランディがブライアンを救ったように書かれているが、それを抜きにブライアンの創作活動が最も詳しく書かれており、本として、文章自体が面白い。
スペクター本と同様、奇才の極限が良く描かれている。

「ビーチ・ボーイズとカリフォルニア文化 はるかな場所の一番近いところ」ティモシー・ホワイト

個人的な自叙伝より、ビーチ・ボーイズを丁寧に、もっと広く、外から、カリフォルニア文化の中での、彼らの存在を描いている。
カリフォルニア周辺の西海岸ポップスを知る上で参考になる索引もある。

好きな「偉人二人の言葉」

ある音楽にハマったら、これらの書籍を選び出し、それらについての文章を読み、より深く理解する。

『「分かる」というのは「分けられる」』桂枝雀

『想像力の方が、知識より重要である』アインシュタイン

この二人の言葉、納得できます。
一に感性、二に研究です。

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